絶好調が一転

前回のブログで絶好調と書いたのだが、それが一転したお話です。
今回のブログは1週間分がまとめられたものなので、
すみませんがかなり長いです。



先週の日曜日から右こめかみに偏頭痛が少し出るようになった。それと右目が少し痛いというかしみる感じがした。
でも偏頭痛はたまにあったし、目の痛みもドライアイの上にコンタクトを長時間つける日が多いので、いつもの事だとあまり気にしなかった。
偏頭痛と目の痛みはそれから月火水と続いた。

水曜日の夜、目の痛みが4日間も続くのは初めてだし充血が少しひどくなってきたので、目薬をさして貼るタイプの眼帯を付けて寝ることにした。

木曜日の朝、頭と眼球の痛みで目が覚めた。
眼帯を取ると右目はかなり充血していた。
おまけに眼帯でかぶれたのか眉間の右側に水膨れのようなものがポツポツあった。
これは病院で薬をもらわないとダメだと思い眼科に行った。

しかしその眼科では原因が分からなかった。
近くの総合病院に行くよう勧められ紹介状と目薬の処方箋を貰った。
でも紹介された総合病院の受付締め切りは午前11時まで。
処方箋をもらった時点で11時だったのでその日に診てもらう事は無理だった。
それならしょうがないとすんなり眼科を後にしたが、
やっぱり目はしみるし頭は痛い。
歩いて帰る途中だんだんと聞かなかった僕も悪いけど他の病院も教えてくれよと思うようになり腹が立ってきた。
僕は頭の中に怒りと痛みを抱えて帰宅した。

たった2種類の目薬でこの頭と眼球の痛みを取るのは難しいだろうと思いながらも、一縷の望みに賭けてみようと思った。

予想通り賭けは失敗に終わった。

その夜から痛みが側頭部、頭頂部、眼球と色々動き出し全然治まらなくなった。
おまけに水膨れの数もどんどん増えていった。
でも不思議とそれらの症状は全て顔の右側にしか出なかった。
バットマンに登場するトゥーフェイスみたいに僕の顔は右と左で別人のようになっていた。

そして次の日の金曜日、総合病院の眼科で診察室の椅子に座った瞬間、医師から「それヘルペスだね」と言われた。
ヘルペスという言葉は聞いた事があったが、
知識がなくて口やチンコに出来る水膨れだと思っていたのでビックリした。

ヘルペス(疱疹)には単純疱疹と帯状疱疹があるらしいのだが、僕のは帯状疱疹(帯状ヘルペス)だと言われた。
帯状ヘルペスとは神経節に隠れていた幼い頃にかかった水ぼうそうのウイルスの生き残りが活性化し悪さをすることらしい。
僕の帯状ヘルペスはこめかみ辺りにある脳神経の三叉神経に潜んでいたのだ。
僕は日頃の多量飲酒、睡眠不足、ストレスや疲れによってヘルペス野郎ども呼び起こしてしまった。

眼科だけじゃ手に負えないので皮膚科にも通う事になった。
皮膚科では三叉神経から目にも症状が現れた人で重症の場合は失明する可能性があることも伝えられた。
激痛で顔の右半分麻痺しているような状態だったので、失明しても不思議じゃないなと思った。
それと、もしそうなったら仕事はどうなるのかなとか、
今年の個展どうしようとか、
絵は片目でもいけるけど別の表現方法を探した方がいいかなとか、銅版画は目に負担がかかりそうだからやめた方がいいかなとか、伊達政宗はどっちの目だっけなど色々な思いが頭に浮かんだ。

何はともあれ病名が分かった事で気は楽になった。
しかし初診で眼科と皮膚科にかかり病院で5時間過ごしたおかげで身体はかなり疲れた。

帰宅後、昼飯も食べてなかったし、薬も飲みたかったのですぐに食事をした。

処方された薬は、
飲み薬がメインの対ウイルス用1種類と他に3種類、それと塗り薬が1種類の全部で5種類。
これだけあればヘルペス野郎どもを退治出来るだろうとワクワクした。

一回薬を飲めば少しは楽になるかなと思っていたが甘かった。
すこーーーしも楽にならなかった。

日中の検診で疲労を溜めてしまったのか、薬を飲む前よりかなりひどくなっていった。
もはやヘルペス野郎どもとかいう規模ではなかった。
それはヘルペス軍だった。
右の側頭部、頭頂部、眼球はヘルペス軍に占拠されてしまいガンガンに痛い。
おまけに顔面は眉間にいた奴らが額へ、鼻の頭へとグジュグジュと進軍を始めた。
皮膚科の先生に鼻の頭に疱疹が出ると視神経が結構やばいんだよねとか言われていたので少し焦った。
僕は次のお薬時間20時までの4時間近くは耐え忍ぶより他にないと思った。
僕は御大将である僕、西谷拓磨と
小さい僕である神経細胞達とで立ち向かうしかないと思った。
えーーいっ!!
引くな!怯むな!押し返せ!これ以上一歩も入れるな!
と頭の中で言葉が飛び交った。
そしてたまに声として出た。

ヘルペス軍がとにかく頭に来るのは休みなく襲ってくることだ。
最初は戦国武将気取りで戦っていたが、
激痛の連続にだんだん腹が立ってきて言葉も汚くなり
戦争映画のような言葉使いになっていった。

なんとか痛みをそらそうと足つぼを思いっきり刺激したり、
足や腕を引っ叩いてみたが全く無駄だった。
ちなみに「心頭滅却すれば火もまた涼し」と座禅もしてみた。
修行経験のない僕に耐えられるはずもなく10分でギブアップ。
10分もっただけすごいなと思ったがそれをまた続けようとは思えなかった。
結局激痛に襲われた時はタオルを思いっきり絞り上げて我慢する以外方法は無かった。

そしてほんの少し期待をしながら2度目の薬を飲んだがやはり結果は同じだった。
痛み止めが全然効かないというのは本当に辛い。

3度目の薬は就寝前に対ウイルス用の1種類だけ。
寝たくても痛くてほとんど寝れず辛かった。
妻は救急車を呼ぼうか迷っていた。
僕自身もそうした方が良いのかと一瞬思ったが、
そのまま入院になりようやく動き出した展覧会が中止になるのが嫌だったし、薬もまだ1日飲んだだけなのでもう少し様子を見ることにした。

土曜日、痛さで目が覚めた。最低の目覚め。右目はだいぶ腫れてるみたいでなかなか開けられなかった。
前日3回薬を飲んだが効果はほとんど感じられなかった。
むしろヘルペス軍の攻撃先が眼球一点に絞られて地獄を味わった。
前日までは側頭部、頭頂部、眼球の3カ所を痛みが動いている感じだった。
それが眼球から動かなくなった。
10秒おきに5秒間、眼球をギューっと握り潰そうとする感じがひたすら続いた。
すごい激痛でとにかく目から別の場所に移って欲しかった。
痛みのピークだった。

我慢するより他どうする事も出来ないので、このヤロー、クソッタレと思いながらタオルを絞りあげて食事と薬の時間をひたすら待った。

そして15時の薬を飲んで少しした辺りから目の痛みが少し楽になってることに気が付いた。
薬が効き始めた事にテンションが上がった。
薬を援軍に見立てヘルペス軍が占領した場所を僕の軍が取り返すイメージをして次の薬の時間まで楽しんだ。

土曜日の夜、痛いのは痛いのだが前日より少しマシになって布団に入ることが出来た。

日曜日の朝。
痛みが更に取れてる感じがして嬉しかった。
しかし右目で見る世界には白いモヤがかかっていた。
2、3時間しても全然取れなかった。
昨日の眼球一点攻撃が原因だろうなと思ったら、なんか色々な事に対し頭に来たがすぐに諦めた。
一応他の病院も探そうと思い眼科を色々調べ始めた。
でもネットで調べても正解なんてありゃしないなと思いそれも諦めた。
妻にもこれはダメかも知れないと話した。
15時過ぎぐらいから映画が見たくなりAmazonプライム・ビデオでインセプションを久々に見た。
見終わって少ししたら右目に見える白いモヤが取れてることに気が付いた。
映画のせいで夢じゃないだろうなと一瞬疑ってしまったが、多分夢じゃないと思った。
ハッキリとモヤが取れてると言い切れないのは目の充血がひどくなり涙が出っ放しだったから。
自分で考えても無駄だから医師に任せようと思った。

そして今日月曜日。
9時から診察。
目の見え方はとりあえず大丈夫とのことだった。
でも酷い目の充血はヘルペスが角膜に感染したからか、
ドライアイによるものなのかまだ判断がつきにくいということで、
次回まで保留となった。
とりあえずドライアイ用の目薬を処方された。

もうしばらくヘルペスとの戦いは続きそうです。

それと酒を飲むようになってから初めて1週間も酒を断ちました。
身体が軽くなったというかダルさがなくなったことに驚きです。
それと2日前初めてノンアルコールビールを飲んだのだが、確かにビール感がありそれにも驚きです。

でもやっぱり早く酒が飲みたい。

あと、最後に写真を2枚載せておきます。

一枚目はトゥーフェイスの僕。
載せてる写真は症状がまだマシだった時のものです。
グジュグジュになり黄色いのが出ちゃってるのはさすがに載せるのに抵抗があったので。

二枚目は帯状ヘルペス発症直前のもの。
個展のリーフレット用に撮ったものです。結構気に入ってます。
のちにヘルペスに苦しめられることを知らずに楽しそうに制作してます。

この落差が何とも言えない。


ここまで読んで下さったかた、ありがとうございました。

そして体調管理にお気をつけ下さい。

では。



これでもだいぶマシなほうです。
これでもだいぶマシなほうです。
ボコボコになる前に撮っておいて良かった。
ボコボコになる前に撮っておいて良かった。