(昨日の続き)
生ビール2つ、大根とじゃこのサラダ、はんぺんチーズフライ、
鶏のたたきポン酢風味を注文した。
(魚料理は危険を感じたので注文しなかった。)
たどたどしい日本語の若い女性がビールを運んできた。
まずはこれを流し込んで喉を潤そうとビールをゴクリ。
「何これ」と思った。
妻の顔を見ると「何これ」と思っているであろう表情をしていた。
すげぇまずいビールだった。
よく見ると琥珀系のビールが混ざっているのかなという色に、
微炭酸以下の炭酸。
そしてほんのり酸っぱい香り。
ビールじゃない物か、ビールだったら古いものだと思った。
昔飲食店でバイトしていた時、客からビールがまずいと言われたことがあった。
どれだけまずいかそれを飲んだら確かにまずかった。
ビールの樽を換えたばかりなのになぜだろうと思ったが、
よく見るとその樽だけ賞味期限が間近(もしくは少し過ぎてた。20年ぐらい前で覚えていない)
ものだった。別の樽に取り替えたら美味しいのが出てきた。
そのことを思い出した。
ビールが美味しくないから変えてくれって正直言いたくなかったが、
客引き、店の雰囲気、価格を考えると言うべきだと思い店員に伝えた。
店員の女性は何だかよく分からないという表情をしていたが、取り替えてくれた。
しかし店側はうるせぇ客だなぐらいにしか思っていなかったのか
持ってきたビールも先程のものと同じだった。
もう無理かもと妻と話していると、
大根とじゃこのサラダ、はんぺんチーズフライが運ばれてきた。
大根とじゃこのサラダは大根の切り方にも盛り付けにも丁寧さが感じられない
パッと見て雑なものだった。
はんぺんチーズフライはかまぼこみたいな固さで小さな三角形のものが4個。
衣には変な味付け。680円。
怒りを超えて虚しさがやってきた。
鶏のたたきを見る前に、金を払ってでもいいから店を出ようと思い、チャイムを鳴らした。
男性店員がやってきた。
そいつの対応を見た時、怒りの炎が再び燃え始めた。
対応がすごく慣れていたのだ。
こいつは分かっていてやってるんだと思った。
鶏のたたきは店員のほうからあっさりキャンセルしてきた。
ビール2杯、雑サラダ1つ、まずい揚げ物1つで3400円。
店を出る時「またお願いします」と言われた。
そいつの顔を見たら怒りに飲み込まれそうだったのでそのまま店を出た。
外ではさっきの金髪青年が僕らのような獲物を釣ろうと釣り竿を垂れていた。
終わり。
いや、もう少し書こう。
そこへ行くと料理がうまく酒を飲み過ぎ長居してしまうので一瞬迷ったが、
確実なところに行きたかったので、
僕らは行きつけの焼鳥屋で飲み直すことにした。
熱くなった喉に冷えたビールが気持ち良かった。
話題はほぼ先程のぼったくり居酒屋の件になった。
話しているうちに、どちらか知りたくなってきた。
どちらというのは、
すべて分かってやっている確信犯か
何も知らずにやっているただのバカかだ。
確信犯と判断した僕の感覚が正しかったのか知りたくなってしまった。
焼き鳥屋で大満足した僕らは金髪青年がまだ釣りを続けているか見に行くことにした。
彼は辛抱強くまだ釣りをしていた。
今度は僕らのほうから寄って行った。
居酒屋のご利用いかがですか?と青年は声をかけてきた。
眼球がでかい僕の顔は覚えられやすい。
青年はすぐにさっきの客だと気付いたみたいだ。
そして小さい声で「ぁあ〜すいません」と言いながら逃げて行った。
やっぱ確信犯じゃねぇか!!このヤロー!
もう10数年前の話だが、初めてインドに行った時この手の客引きによくだまされたのを
思い出した。
(おいまい)
あぁ〜長かった。やっと終わることが出来た。
ここまで読んで下さった方ありがとうございます。
ちなみに帰りの電車の中でこのぼったくり居酒屋のことを調べてみた。
似たようなテーブルとチャイムの写真はあったが、それ以上情報が出てこない。
こわっ。と思った。
皆さんお気を付けを。
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