仕事の帰り道。
言葉ではうまく言い表せない程、へんてこなバイクに乗った男性が
ゆっくりと僕の横を通り過ぎていった。
その男は何やら歌を歌っていたのだが、その歌も言葉ではうまく言い表せない。
強く魅かれるものを感じた僕は、男の後を付けることにした。
運動不足の僕は、走ろうと思っても、なかなか足が上がらずとても苦しかった。
100メートルほど走ったところで、バイクは修理工場らしき場所で止まった。
隣には中華料理屋があった。
その工場らしきところから、おっさんが出てきて、バイクから降りた男を連れ
隣の中華料理屋に入っていった。
迷わず僕も店に入った。
とても小さな店だった。
テーブルは2つ。
調理場と客席との境もない。
台所みたいな店だった。
おっさんとバイク男、そして従業員らしきおばちゃんが
テーブルを囲んでいた。
僕を見るなり、おっさんがバイク男に向かって
「彼、りょうちゃんの知り合い?」と尋ねた。
すると「そうだよ。」と驚きの一言が!
ビックリした僕はまごまごしてしまった。
おっさんはふ〜んと言うと僕に向かってこう言った。
「食べたいもの自分で作ってね。材料は勝手に使っていいから。」
僕はさらにまごついた。断ることすら出来なかった。
そしてたいして腹も減ってないのにチャーハン作りに取りかかった。
玉子を入れ、ご飯も入れたところでおばちゃんがやってきた。
そして「注文が入っちゃったから、その鍋返して」と言って
作りかけのチャーハンを皿に移した。
呆気にとられた僕は、ただそれを見ていることしか出来なかった。
すると、うしろからおっさんがやってきて、
「焼きリンゴ食べるか?」と2つの焼きリンゴを差し出した。
向かって左側のリンゴを取ろうとしたら、
そっちじゃないと言われ右側のを渡された。
味は全く分からなかった。
そしておっさんがこう言った。
「家近いんなら、30分後にまたおいで。遊びに行こうよ。」
なぜか僕は「はい」と返事をし、急いで家に帰った。
・・・そこで目が覚めた。
目覚ましが鳴る10分前だった。
午前5時頃の地震でも目が覚めたし、午前3時頃には寝苦しさから目が覚めた。
貴重な5時間の睡眠時間に3度も目が覚めてしまった僕は、
今日はもう仕事にならんなと弱気になった。
朝っぱらからひどく疲れた。
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人間ってのは不思議なもんで、仕事が終わった途端にエネルギーがみなぎるのだ。
雨も上がっていたことだし、ギャラリーを回ってから帰ることにした。
その途中、荷物をたくさん積んだ自転車に乗ったおじさんが、
「あ〜〜〜ぁ♪今日も寒いな〜、#$%&$%’&$’’%」と歌いながら僕の横を
のろのろと通り過ぎていった。
今朝の夢を思い出し、ゾクッとした。
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