ポロック

仕事終わりに東京駅八重洲口から皇居へ向かう。

ここを歩くのは3.11に帰宅困難者になって以来だなと思ったら、

歩道が人で埋め尽くされ、車道は車で埋め尽くされていた映像が浮かんだ。

そしてあの日は一体何だったんだろうなどと思い

心の中は言葉で表現出来ないような複雑な感情でいっぱいになった。

 

 

今日の目的地は東京国立近代美術館。

雨だし人はほとんど歩いていなかった。

すれ違った人は9人。(自転車に乗った人一人含む)

ジャクソン・ポロック展を見に行ってきた。

 

ネイティブアメリカン、メキシコ壁画、ピカソ、ミロ、シュルレアリスムを経て

彼の心がどんどん高まっていくところがたまらない。

僕なんかが言うのもなんだが、

その心の高まり方はすごく理解できる気がする。

ピカソやミロの影響が見られる作品を多くの人がサ~ッと過ぎていくので

もったいないと思った。あそこからどんどん上がっていくのに。

 

「インディアンレッドの地の壁画」は見事としか言いようがない。

絶頂という言葉が確かにぴったりだ。

 

たった3時間しかいれなかったが

彼の激しい心の変化、人生の縮図を見れてとても励まされた。

ただ、彼は自らが変わり続けなければいけない人間だということを

きちんと理解出来ていたのだろうかと少し疑問に思った。

前衛芸術だから変わり続けなければならないというのは他人が

そう見るだけの話で、変わり続けなければならない理由は自分の中にしかない。

 

僕が大好きなパウル・クレーはそれを理解していた。

だから最後まで描き続けることが出来たのだと思う。

 

なんか偉そうな文章になってしまった。

あぁなんか嫌だ。すごく嫌だ。

でも吐き出せないのはもっと嫌だ。

 

・・・それと閉館までいたせいで図録を買いそびれてしまった。

割引チケットも家に忘れてきたし。

そして今年は近代美術館が開館60周年で誕生日の日は無料で入れるということを

あとで知った。先月知っていれば・・・。

 

まっ楽しかったからいいか。